ちなみに、母の日には何もしなかった。
義母が認知症になる前は、プレゼントを贈ったり、
一緒に外食に行ったりしていた。
いや、認知症になってからも、
初めの頃は、義母の好物を食べに行ったりしていたなぁ。
認知症が進むにつれ、それも難しくなってきた。
というのも、まず行く前から、
「今日はどこへ行くの?」の質問が途切れることがない。
さらに、移動中の車内では、
「今日は母の日なんだ」とか「何食べるの?」などの質問が繰り返され、
この時点で、私たちはすっかり消耗してしまうのだ。
また、義母は入れ歯なのだが、
相当に柔らかいものでないと食べられないので、
食べられるものを厳選しなくてはいけない。
硬いと遠慮なく、「硬い!」と大声で言うのにも閉口する。
高齢者なので、車の乗り降りにも気を配らなければならず、
そんなこんなで、外食に行くことには労力を必要とする。
正直いうと、私たち夫婦が楽しくないのだ。
義母は楽しいのかもしれないが、
当然ながら、それもすべて忘れてしまうので、
それに対するモヤモヤもあった。
(こんなに無理して連れていく必要あるの??)
(どうせ忘れてしまうのに・・・)
という心の声も聞こえてくる。
かといって、プレゼントといっても、なんだか思いつかない。
「母の日どうする?」と夫に聞くと、
「毎日、世話してるから、いつも母の日だからさぁ」
というので、それもそうだなと思うのだった。